トランプ大統領は14日朝の一連のツイートで、「進歩派の民主党議員ら」と名指しを避けつつ、「アメリカ国民に向かって、政府の運営がどうあるべきか悪意をもってわめく」よりも「出身国に戻って、問題を修復したらどうなんだ」と述べた。
ツイートは、昨年初当選を果たしたアレキサンドリア・オカシオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)議員、イルハン・オマール(Ilhan Omar)議員、ラシダ・トリーブ(Rashida Tlaib)議員、アヤナ・プレスリー(Ayanna Pressley)議員を指した発言とみられる。4人は有色人種の女性議員。ソマリア生まれで、難民として米国に移住したオマール議員を除いて、3名は米国で生まれている。
これらの議員は先月末に可決した移民対策支出法案に反対し、ナンシー・ペロシ下院議長との対立が報じられていた。
ペロシ議長は先週のNYタイムズのインタビューで、法案に反対した4人について、ツイッターの人気と関係なく、議会における実際の影響力について疑問を投げかけた。これに対し、オカシオ・コルテス議員は10日のワシントンポスト氏のインタビューで、「新たに選出された有色人種の女性」を的にしていると、不満を表明。
コルテス氏の発言は、人種差別やアイデンティティポリティックスを持ち込むべきではないとして、党内から非難の声が上がった。さらにトランプ大統領はインタビューで「彼女(ペロシ氏)は人種差別主義者ではない。彼女を人種差別だと呼ぶのは侮辱だ」と述べるなど、党内対立に口をはさんだ。
対立が取りざたされるものの、トランプ氏の日曜日のツイートに対しては、双方が人種差別だとして非難を表明した。
ペロシ下院議長は、トランプ氏のツイートは「”アメリカを再び偉大に”が”アメリカを再び白人のものする”計画だったことを明言している」とツイート。続けて「多様性が強さでであり、団結は力なのだ」と述べた。
コルテス議員は、出身国はアメリカだと述べ、非人道的な移民収容施設について「大統領の足元に横たわる崩壊という点で、あなたは正しい」と、トランプ氏の発言を逆手にとって非難した。
イルハン・オマール議員は「議会メンバーとして、我々が宣誓するのは合衆国のみだ。だからこそ、我々はかつてないほど最悪、壊れた、不適任の大統領から国を守るため戦っているのだ」と述べた。
下院民主党指導部のハキーム・ジェフリーズ議員は、「人種差別の攻撃は、有色人種の進歩派の女性議員を弱めはしない。我々を強くするのみだ」とツイート。
2016年大統領選でトランプ氏に敗れたヒラリー・クリントン氏も参戦。「彼女たちはアメリカ出身だ。一点だけ正しいことがある:彼女たちの政府は完全に崩壊している。」
批判を受け、トランプ大統領は再びツイートを発信。「我々の国を悪く述べ、さらにイスラエルを止むことのない情熱でもって憎しむ人々を支持する民主党を見るのは悲しいものだ」「なにかというと、彼女らは、ナンシーペロシを含む敵に対して”人種差別”と叫ぶ。気分の悪い発言と合衆国に向けた酷い行いは、放っておいてはならない」と攻撃的な発言を繰り返した。