ホワイトハウスから持ち出した機密文書の取り扱いをめぐって起訴されたトランプ前大統領。9日に公表された起訴状から、罪は37にのぼることが明らかになった。
起訴状によると、トランプ氏は、大統領の任期終了とともに保持する権限を失った機密資料を段ボール箱に入れて持ち出し、フロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴのボールルームやバスルーム、オフィス、寝室、倉庫など様々な場所に保管した。
この中には「米国の核兵器プログラム」、「攻撃に対する米国と同盟国の潜在的な脆弱性」、「外国から攻撃を受けた際の潜在的な報復の計画」といった「米国と外国の防衛と兵器の能力に関する情報」が含まれていた。
部外者に資料を見せたとされ、2021年７月、ニュージャージー州の自分のゴルフクラブで行われたライターと出版者のインタビューで、自ら「攻撃の計画」と称し、国防総省と軍高官が用意した資料を公開した。
捜査開始後、持ち出した資料は機密解除したものだと主張したトランプ氏だが、これと矛盾する発言をしていた。
ライターらとの会話の中で、「大統領として、機密の解除ができたのだが」、「今はできない。わかるだろう。でもこれは今でも機密なんだ」と、機密であることに加え、自身に解除する権限がないことを認めていた。
インタビューはトランプ氏公認のもとで録音されており、事前にCNNによって報じられていた。
8月または9月にも、トランプ氏は同ゴルフクラブで、自身の政治活動委員会の代表者に「軍事作戦に関連する機密の地図」を見せていた。
連邦検察当局はまた、トランプ氏は側近とともに捜査妨害を試みたと主張している。
それによると、トランプ氏は自分の弁護士に対して、大陪審が要求している資料は持っていないと誤った説明をしたほか、ホワイトハウス付きの軍人で、後にトランプ氏の個人的な補佐役となったウォルト・ナウタ氏に、弁護士および捜査当局を誤魔化すために、文書の入った箱を移動するよう指示するなどした。
起訴状では、ナウタ氏もトランプ氏とともに起訴されたことが明らかになった。
トランプ氏は31の「国防情報の故意の保持」に加え、「司法妨害の画策」、「文書または記録の隠匿」、「文書または記録の不正な隠蔽」、「連邦捜査における文書の隠蔽」、「隠蔽の計画」、「偽証および虚偽の陳述」の合計37の罪で起訴された。