トランプ氏 スウェーデン拘束中のエイサップ・ロッキーの保釈金を個人保証。ロベーン首相は特別扱いを否定

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スウェーデンで暴行をはたらいたとして、現地で勾留中の米ラッパーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)に関し、トランプ大統領は20日、スウェーデンのステファン・ロベーン首相と電話で会談し、個人的に保釈金を保証すると伝えたことを明らかにした。

トランプ氏は電話を「良い会話」だったとし、ロベーン首相からロッキー氏が「公正に扱われる保証を得た」と述べた。また保釈金に加えて、ロッキー氏に逃亡の危険はないことを保証したと語った。両首脳は、48時間以内に改めて会談することで同意したという。

しかし、スウェーデンの刑事司法には保釈制度はない。

ロベーン首相の報道官は、両首脳の「友好的で敬意ある」会話は20分ぶ及んだと発表。一方、首相は「スウェーデンの司法制度、検察、裁判所の完全な独立を強調した」と述べ、「スウェーデンではすべての人が法のもとに平等であり、政府が司法手続きに影響を及ぼそうとすることはできず、する意思もないことを強調した」と発表した。

ロッキーは先月末、ツアーのために訪問していたスウェーデンのストックホルムで、クルーとともに暴力事件を起こした。SNSに出回っているビデオでは、ロッキーが、男性を地面に投げつけ、横たわったところを複数人で、複数回にわたって暴行を加える様子が確認できる。

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TMZによると、この日、2人の男性がロッキーにヘッドフォンを壊されたと主張。警察への通報をほのめかしつつ、ロッキーのグループを執拗につけ回したという。

ロッキーらは、警察と救急隊員が到着する前に、現場から逃走した。弁護側は自己防衛だと主張している。

ロッキーらは3日より拘束されているが、スウェーデンの裁判所は19日、逃亡の恐れがあるとする検察の主張を認め、警察が調査を完了するまでの間、追加で6日間の拘束を命じた。

拘束の長期化に伴い、ミュージシャンやセレブリティを中心にスウェーデン当局に対する非難の声が高まっている。リアリティーTVのスター、キム・カーダシアン・ウエストは、トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問を通じて、大統領に釈放を求めるよう働きかけた。

カーダシアン氏はこれまでホワイトハウスを複数回訪れ、刑事司法制度の改革や恩赦について、トランプ大統領と面談を行っている。2018年5月の面談では、麻薬の罪により終身刑で服役していたアリス・マリー・ジョンソン氏の減刑を要求。その後大統領が恩赦を与えた。