米メディアは30日、ニューヨークの大陪審がトランプ・オーガニゼーションと同社の幹部、アレン・ワイセルバーグ最高財務責任者を起訴したと報じた。
現時点で罪状は明らかにされていない。ニューヨークタイムズは、1日午後に公になる可能性があると報じている。
同紙は、マンハッタン地検は、2018年に開始したトランプ氏に対する捜査の一環で、ワイセルバーグ氏とその家族がトランプ氏から受け取った手当てに関する納税の有無を調べてきたと伝えている。手当には、ワイセルバーグ氏の孫が通った私立学校の授業料、無償で提供されたアパート、自動車のリースなどが含まれているという。
検察官はまた、ニューヨーク州司法長官と協力して、トランプオーガニゼーションが、課税対象とするべき所得に関して、給与税を支払わなかった可能性についても捜査を進めていたという。
ワイセルバーグ氏は、1日午前6時20分に、弁護士とともに刑事裁判所とマンハッタン地方検事局のある建物に入っていたという。同日午後に出廷するとみられている。
ワイセルバーグ氏の弁護士、メアリー・E・マリガンとブライアン・C・スカラトス氏は声明で「ワイセルバーグ氏は、無罪を主張し、法廷で戦うつもりだ」と発表した。
トランプ・オーガニゼーションも声明で、ワイセルバーグ氏は、トランプ氏に危害を加えるための「人質」に利用されたと主張。国税庁や他の地方検事は従業員の手当てがらみで刑事訴追をしようと考えないと述べ、「司法ではない。政治だ」と批判した。
トランプ氏 再出馬を決意?
トランプ氏は公式に声明を発表していない。ポリティコによると、起訴の可能性の一報が流れた後に行われたアドバイザーらとの電話会議で、「興奮」した様子で、バイデン政権にとってダメージになるとの考えを示したという。
トランプ氏はこの中で「2024年まで待てば、わかる」と述べ、訴追は魔女狩りと見なされて民主党に裏目に出るとの考えを示唆。「これはスリーピージョーを傷つけるだろう」と話したという。
アドバイザーの一人は、週末にオハイオ州で開催した政治集会の大観衆に勇気付けられたトランプ氏が、起訴の知らせによってさらに気を大きくした印象を持ったといい「今、彼は間違いなく大統領に立候補するつもりだ」と話したという。
トランプ氏はまた30日の夜、Foxニュースのタウンホール形式の番組に出演。2024年大統領選の出馬の有無について心を決めたかと問われると「イエス」と断言。
出馬の明言は避けたものの、「出馬をすれば、それがいかに難しいかあなたはご存知だが、戦いに再び臨む心構えができているようですね」と話す司会者に「私がしたいことではない」と返答。「国がそれを必要としている。国を大切にしなければならない」などと話した。