トランプ前大統領は27日、Truth Socialに投稿したビデオで、選挙戦に向けた自身の通称政策を発表。対中規制を強化するルールなどを設け、米国を「世界がかつて見たこともないような製造大国」に変えると述べた。
「中国依存を終わらせる親米通商」と題した動画で、トランプ氏は、バイデン政権の政策を「米国の製造業をサポートすると言いながら、その実、産業の中心を崩壊させた中国のグローバリズムを推し進めている」と非難。米国の製造業に増税し、海外移転を促進する「大規模な反米多国間協定」を支持していると主張した。また、現政権は中国に対して弱腰だとし、「腐敗したバイデン家が中国共産党に関連する団体から数百万ドルを受け取っているからだ」とも語った。
自分の政策の中心は「国内生産者を罰し、外国業者に報いるバイデンシステムから、国内生産者に報い、外国企業や米国の仕事を流出させる企業に課税する方式に移行すること」と説明。これを達成するために「ほとんどの外国製品にユニバーサルかつ基本となる関税をかける仕組みを段階的に導入」した上で、相手国の自国通貨切り下げの度合いに応じて関税を引き上げる方式を採用するとした。「外国は米国を利用するために自国通貨を切り下げ、自国産業に補助金を与えるか、あるいは貿易上の不正行為や乱用を行っている」と非難した。
こうした取り組みは、貿易赤字の解消と米国の雇用を取り戻すだけでなく、財務省に多額の金をもたらし、米国の労働者、家族、地域社会に投資できるようになると述べ、これを「新しい戦略的国家製造業イニシアティブ」の要に据えると語った。
中国に対しては、「中国依存を完全に排除するために大胆な改革を実行する」とした上で、最恵国待遇を撤回し、必需品分野のすべての輸入をなくす4カ年計画を実施すると説明。これには経由国を使った規制回避を阻止する強力な保護措置を含めると述べた。
バイデン政権の「親中経済プログラム」は米国を殺していると述べ、自身の貿易アジェンダは、再び米国を第一として経済を活性化させるものだとする一方、中国との関係については「再びわれわれを尊敬するようになる」ため、「非常にうまくやっていけるだろう」と語った。