昨日の敵は今日の味方。
トランプ前大統領は16日、次の決戦場ニューハンプシャー州で開いた集会で、前日のアイオワ州党員集会の結果を受けて大統領候補者指名争いから撤退した起業家のヴィヴェク・ラマスワミ氏と「一緒に働くだろう」と語った。
CBSによると、トランプ氏は99%の結果が判明した時点で51%を獲得。2位のロン・デサンティス氏に30ポイントの差をつける史上最大の得票差で初戦アイオワ州を制した。ニッキー・ヘイリー氏は、2位争いを競り負け、デサンティス氏と2ポイント差の19%。ラマスワミ氏は8%にとどまった。
ライバルでありながら互いに好意的な発言を交わしてきた両者だが、トランプ氏はアイオワ党員集会の直前になって姿勢を一転。Truth Socailの投稿で、ラマスワミ氏が示してきた自分への称賛は「詐欺的なキャンペーンの手口」で「非常にずる賢い」と批判した。「ヴィヴェクへの票は反対票であり、これに騙されるな」と続け、「一票を無駄にするな。ヴィヴェクはMAGAではない」と支持者らに呼びかけた。
アメリカファーストを掲げ、討論会でトランプ氏を「最高の大統領」と絶賛するなどしたラマスワミ氏について、トランプ氏は昨年、副大統領候補に検討する可能性を示唆したこともあった。
トランプ氏はこの日の集会の演説の冒頭、「非常に多くの愛国者の側から称賛を得ている」ラマスワミ氏からエンドースメントを受けたとした上で、本人を壇上に呼び込んだ。
トランプ氏が見守る中、ラマスワミ氏は約7分間にわたってスピーチを行い、「ニューハンプシャーには正しい選択をして、あなた方の次の大統領としてトランプ氏に投票するようお願いする」と語った。スピーチを終えると、会場から「副大統領」の掛け声が上がった。
トランプ氏はこれに「彼は素晴らしい男で、特別なものを持っている」と応答し、「ゼロからスタートして、非常に強い結果で終えた」と称賛。「彼はわれわれと働くことになるだろう、長く連携していくだろう」と語った。
.@VivekGRamaswamy gave one of the most energetic and fiery speeches I’ve ever heard. It’s time to take America back. America-First till the end 🇺🇸#TrumpVivek2024 pic.twitter.com/ccXdzssNFc
— James Jinnette (@james_jinnette1) January 17, 2024
このスピーチの後、X(旧ツイッター)では、ラマスワミ副大統領案を支持する「TrumpVivek2024」のハッシュタグをつけた投稿も出回った。
トランプ氏は先週出演したFOXニュース主催のタウンホールで、すでにランニングメイトが「誰にするかわかっている」と明かした。ただし、名前を求められると「それは本当に言えないんだ」と述べるなど、詳細への言及を避けた。
副大統領候補選びついては、さまざまな憶測が飛び交っている。メディアでは、サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事や2022年のアリゾナ州知事選で敗北したケリ・レイク氏、エリス・ステファニク下院議員(ニューヨーク)、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア)といった女性のほか、11月に予備選から撤退したティム・スコット上院議員(サウスカロライナ)などの可能性が囁かれている。