トランプ大統領は22日、前日に議会を通過した新型コロナウイルスの追加対策法案について、ツイッターで「送られた法案は期待していたものと大きく異なる。非常に不名誉だ」と批判。現金支給を600ドル(6.2万円)から2000ドル(20.7万円)へ増額するよう求め、署名しない意向を示した。
上下両院は21日、9000億ドル(約93兆円)規模のコロナ法案と、10月までの政府資金を調達する1兆4000ドル(約145兆円)の歳出法案を合わせた2兆3000ドル(約238兆円)の法案の採決を行い、賛成多数で可決した。
コロナ救済法案には、1人あたり600ドルの直接給付や、週300ドルの失業保険上乗せ金の延長、2,840億ドルの企業支援、中小企業向けの特別融資「ペイチェック・プロテクション・プログラム(PPP)」の復活、企業の交際費の控除拡大などが含まれた。地方政府への大規模な財政支援などは含まれなかったが、両党は来年に向けた暫定的な措置として合意した。
トランプ氏は、現金給付だけでなく、飲食店を含む中小企業の支援が不十分だと主張。さらにカンボジア支援や首都ワシントンDCのケネディーセンターに関する予算は「無駄で不必要」だと述べた。また不法移民の家族の一部が現金給付を受け取ることを批判したほか、交際費に関する控除拡大の期間を2年以上にするよう求めた。なおThe Hillはトランプ氏が、2つの法案を混合して批判していると指摘している。
より多くの現金給付を求めていた民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は、トランプ氏の提案を歓迎。
ツイッターで「共和党は、大統領が直接給付として求める額を繰り返し拒否した。ついに大統領は、2000ドルに合意した。民主党は全開一致の同意で、議場に持ち込む用意はある。さあ、やりましょう!」と共和党員に呼びかけた。
なお28日までに法案が成立しない場合、政府が閉鎖され、失業手当などが失効する。