トランプ大統領は11日に配信したツイートで、米国の時間を、標準時の代わりにデイライト・セービング・タイムに固定することを支持すると述べた。
デイライト・セービングは夏を中心とした一定期間、時計を一時間早める制度。アリゾナ州やハワイ州、サモアやプエルトリコなど一部の地域を除いて実施されており、今年は3月10日から11月3日までがデイライト・セービング期間と定められている。
制度については、経済活動や健康上の問題を理由に、かねてより反対する声も大きい。時計の調整を1時間行うことで、体内時計が狂うため、DLSは体に有害だという研究が発表されているほか、2012年、アラバマ大学は、DLSがスタートした翌日の月曜と火曜日は、心臓発作のリスクが10%上昇するとし、DLSと健康の関連性に関する研究結果を発表している。
カリフォルニア州やフロリダ州では、デイライト・セービング・タイムに固定するための法案が提出されている。またフロリダ州選出のマルコ・ルビオ議員、リック・スコット議員、バーン・ブキャナン議員ら3人の共和党連邦議会議員は6日、デイライト・セービング・タイムを恒久化する法案「日光保護法 2019(Sunshine Protection Act)」を議会に提出した。ルビオ議員は、昨年も同様の法案を提出したが、審議に至っていなかった。
デイライト・セービング・タイムの歴史
・第一次世界大戦中の1918年3月19日に、初めて連邦政府によりDLSが施行された。燃料の石炭を節約することを目的に導入されたが、わずか2年で廃止となった。その後、第二次世界大戦中に再び復活。
・法制化には至らなかったが、18世紀には、政治家のベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)は、キャンドル代を節約するため、民衆に昼間働き、夜間は眠るよう推奨していた。
・連邦政府は、1966年に統一時間法(Uniform Time Act of 1966)を可決。現在タイムゾーンやDLSを管轄するのは、アメリカ合衆国運輸省(U.S. Department of Transportation)。法律の制定当時、発展しつつあった鉄道を全国に普及させるため、全米で時間を標準化する必要があった。
・1970年代の石油危機の間には、連邦議会は州に1974年1月から翌年4月までの間、年間を通じてDLSを実施するよう指示した。
・DLSは連邦法で定められているが、採用していない州もある。ハワイとアリゾナ、アメリカ領サモア、グアム、そしてバージン諸島はDLSを導入していない。
また、インディアナ州の一部は、州全体の法律になる2006年までDLSに従わなかった。