ケネディ大統領暗殺事件、トランプ氏がCIA関与説に言及

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20日、テック業界の著名な投資家らが運営するポッドキャスト『All-In Podcast』にゲスト出演したトランプ前大統領は、1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件について、「おそらくCIAが背後にいるだろう」と語った。

大統領在任中、事件に関わる全記録を公開するとしながら、それが果たされなかった理由について聞かれると、「実際にはやったんだ。ご存知の通りたくさん公開したが、すべてに関しては、私のために働く一部の人々から止められた。尊敬に値する人々だ」と回答。「彼らがそれをしないように頼むから、”なぜだ?理由を教えてくれ”と聞いたら、”大統領、もう少し時間が必要だと思います”と言った」と振り返った。ただし、大統領に再選した暁には、完全公開に再び取り組む意向を示した。

ケネディ大統領の甥で、大統領選に無所属から出馬しているロバート・ケネディ・ジュニア氏がCIAの関与を主張していることについて意見を求められると、「私に(非公開を)頼んだのはCIAではなかったが、背後にはおそらくCIAがいたと思う。彼らは私が残りの部分を公開しないことを望んでいただろう」とあっさり同意を示した。

1992年に成立したジョン F・ケネディ大統領暗殺記録収集法では、大統領が指定した例外を除き、暗殺に関して収集された全情報を25年以内に公開するよう義務付けた。

2017年10月に25年の期限を迎え、トランプ氏は直前まですべてを公開する意向を示していたが、一部についてはさらなる審査の結果、公開が見送られた。トランプ氏は当時、未公開部分について、直ちに公開することで国家安全保障や執行機関、外交に与える潜在的な危害が「公の利益を上回るほど重大」と説明。CIAに対して今後3年間で見直しを行い、さらに公開できるものを検討するよう命じたとした。

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ロバート・ケネディ・ジュニア氏は叔父の殺害について、対キューバ工作に従事したCIAの将校らが関与したと主張している。

昨年タッカー・カールソン氏の番組に出演したロバート氏は「暗殺に関与した人物の大半は、当時最大のCIAの支局だったマイアミ支局と関係があったと思う。基本的にはキューバ支局だ」と説明。「その支局に関係した人物には、ウィリアム・ハーベイや明らかに叔父の暗殺に関わったデビッド・アトリー・フィリップスがいた」と語り、「すべての証拠が、彼(フィリップス)はオズワルドのハンドラーだったことを示している」と加えた。

暗殺の背景について、ケネディ大統領がカストロ政権の転覆を狙った1961年のピッグス湾侵攻で航空支援を送らなかったこと、キューバ危機後にフルシチョフと友情を深め、反カストロの民兵組織「アルファ66」の活動を阻止したことで怒りが高まっていたと語った。

さらに事件を調査したウォーレン委員会にも言及。実質的に調査委員会をコントロールしていたのはアール・ウォーレン連邦最高裁長官ではなく、ピッグス湾の失敗後にケネディ大統領により責任を取らされたアレン・ダレス元CIA長官で、「ダレス委員会」と呼ぶべきだと主張した。

ロバート氏によれば、ダレス氏は大統領の死後、「あいつが死んで良かった。自分を神だと思っていた」と若手記者に語ったことがあった。委員会では証人となったCIA関係者に事前に質問が流れていたとし、「すべては仕組まれた歌舞伎劇場だった」と語った。

関係者らが他界した現在も完全な情報公開がされないのは、「彼らは個人を保護しているのではなく、何らかの組織の利益を保護していると考えるのが妥当だろう」と考えを示した。