トランプ前大統領はタイム誌のインタビューで、再選した場合、バインデン大統領に対する刑事訴追を求める可能性を示した。
政治記者エリック・コルテレッサ氏が4月に2日間にわたって行った取材の中で、トランプ氏は「バイデンを傷つけたくない」「私は大統領職を尊敬しすぎている」と述べつつも、バイデン氏を追及する「本物の特別検察官」を任命すると明言した。
バイデン氏の命運は、連邦最高裁による大統領の免責をめぐる判決の行方によるとも説明。もし大統領に免責はないとされるならば、「バイデンは彼のすべての犯罪で訴追されると確信している」と語った。
なおバイデン氏は、いかなる罪状でも起訴されていない。下院の司法委員会では、バイデン氏が副大統領時代に息子のビジネスに不当に関与した可能性があるとして弾劾調査を進めているが、行き詰まりの様相を呈している。
2020年大統領選の結果を違法に覆そうとした事件に関して、トランプ氏は、大統領は公務に対する訴追から「絶対的に免責」されると主張している。この主張は下級審で却下されたが、最高裁が決定するまで事件は保留となっている。約3時間におよんだ先週の口頭弁論で、判事らは全面的免責の主張には懐疑的だが、「公式行為」などの部分的な保護に前向きな様子だったと報じられている。
トランプ氏は同事件を含む4つの事件で起訴されている。SNSや選挙集会ではバイデン政権による「司法の武器化」、「選挙妨害」などといった批判を繰り返している。
また、トランプ氏はインタビューで、公務員について「保護されるべきでない一部の人々を保護している」と述べるなど、2020年10月に署名したスケジュールFの大統領令を復活させる意向を示した。Axiosによると大統領令は、政策に一定の影響があると考えられる公務員を、新たな雇用カテゴリー「スケジュールF」に再配置するというもの。同カテゴリーの下、これらの職員は随意雇用となり、解雇がはるかに容易になるという。
外交に関しては、保護主義を推し進め、すべての輸入品に10%の関税をかけ、中国製品の一部には100%をかけると述べた。
中東紛争については、イランがイスラエルを攻撃するならば「我々はそこにいるだろう」と語り、2国家共存は「考えた時期もあった」が「非常に厳しくなっていると思う」と否定的な姿勢を示した。ただし、ネタニヤフ首相には批判的で、2020年1月のイランのソレイマニ司令官殺害作戦で直前に協力を見送ったことを「私は決して忘れていない」と語ったほか、昨年10月7日のハマスの急襲は「彼の監視の下で起きた」と述べるなど、未然に防げなかった問題を批判した。