トランプ氏の選挙キャンペーンが”自滅スパイラル”に陥っている、と内部から心配の声が上がっている。
トランプ氏は最近、選挙集会に訪れたハリス氏を出迎えた群衆の数を「フェイク」と主張(ハリス陣営は否定)したほか、バイデン氏が民主党全国大会に乱入して、ディベートを挑んで指名奪還を試みる可能性があるとSNSに投稿するなど、根拠のない主張を繰り返している。先日は、最重要州の一つ、ジョージア州の人気知事、ブライアン・ケンプ氏に暴言を吐いたことも話題になった。
寄付者や陣営の幹部は、トランプ氏がなぜ自らを妨害するような発言をするのか、理解に苦しんでいるという。共和党の関係者はヴァニティ・フェア誌に「彼は敗北を選んでいるかのようだ」と懸念を口にした。
常軌を逸した言動の背景について、ある人物は、約1カ月前にペンシルベニア州の遊説中に受けた銃撃事件の影響に言及。「頭部右側を撃たれそうになった7秒間の映像を何度も何度も見ている」と明かし、「本当にPTSDを患っているかもしれない」と語った。
米国立精神保健研究所によると、PTSDの症状は通常、トラウマとなる出来事が起きてから3カ月以内に現れ、集中力の低下、怒りや攻撃的な感情の爆発、危険・無謀・破壊的行動、寝つきの悪化、驚きやすく、緊張したり、神経質になったりするなどの反応を伴うという。
バイデン氏の撤退が受け入れられずにいる可能性を指摘する声もある。
最近トランプ氏と時間を共にしたある人物によると、「彼らはバイデン氏を挿げ替え、不正を働いた」と主張していたと明かした。
ハリス氏が勢いを増す中、共和党の側近や専門家からは、個人攻撃を止めて政策論争に絞るよう求める声が上がっているが、こうした周囲の助言に従うつもりはなさそうだ。
15日にニュージャージー州のゴルフクラブで開いた記者会見で、「私は彼女がこの国にしてきたことに非常に怒っている。私には彼女の個人攻撃をする権利があると思う。それほど尊敬していないし、知性もあまり感心していない。彼女はひどい大統領になるだろう」と主張。「彼女ももちろん私を個人的に攻撃している。私のことを変人と呼んだ」と述べるなど、個人攻撃を止めない姿勢を示した。