2001年に閉鎖されたジョン・F・ケネディ国際空港のTWAフライトセンター(TWA Flight Center)が15日、TWAホテルとして再びオープンした。
TWAフライトセンターは、フィンランド系アメリカ人の建築家エーロ・サーリネン(Eero Saarinen)が設計し、1962年に完成した。トランスワールド航空がアメリカン空港に吸収合併された後は閉鎖されたが、1994年にニューヨーク市の歴史建造物に、2005年に米国の歴史登録財に指定されている。
TWAフライトセンターをホテルに改装するプロジェクトは2016年に始まった。MCR and MORSEデベロップメントが建設を手がけ、連邦政府の補助金3,600万ドルと500万ドルの税金控除など、官民パートナーシップにより実現した。
ジェットエイジを再現したTWAホテル
ジェット・ブルー(JetBlue)のあるターミナル5に開業したTWAホテル
エントランスとカクテルラウンジに設置されたパタパタ音が懐かしいソラーリ式の表示機
TWAフライトセンターには、ボールルームを含む約4,700平方メートルのイベントスペースを備え、パーティにも使用できる。開業直前には、ルイ・ヴィトンの2020クルーズコレクションのファッションショーが開催された。
カクテルラウンジ「The Sunken Lounge」
当時のユニフォームを着用したスタッフが出迎えてくれる。
2階にはレストランやユニフォームの展示スペースが備え付けられている。ヴァレンティノ(Valentino)や、ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)、スタン・ハーマン(Stan Herman)らがデザインした客室乗務員やパイロットのユニフォーム。
ジャン・ジョルジュ・ヴォンゲリスティン氏がプロデュースするレストラン「The Paris Café」。1階には、インテリゲンチア(Intelligentsia)のコーヒーバーや、サラダ店など軽食を販売するスペースもある。
「コニー」の愛称で知られるロッキード社のヴィンテージ旅客機「コンステレーション・ライナー」(1958 Lockheed Constellation L-1649A Starliner)はカクテルバーに改装された。
オイルの匂いが残るコクピットも見学することができる。フライトセンターに到着する前には、マンハッタンの中心タイムズスクエアで機体が公開され、大きな話題となった。
ジェット・エイジが始まる前の1950年代に活躍したスターライナー。4つのエンジンとシグニチャーの3枚の垂直尾翼を備え、イルカのようなスムーズなラインは、素早く簡単に上空へと移動することが可能だった。伝説のジェット機を間近で見ることができる。
TWAフライトセンターとターミナルをつなぐフライトチューブは、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(Catch Me If You Can)に登場する。
ホテルのチェックインカウンターは、空港カウンター風のデザイン。ニューヨークのストーンヒル・テイラー(Stonehill Taylor)社がデザインした客室は全512室。
ホテルの宿泊料金は一泊249ドル~。昼間のみの利用も可能(139ドル~)。
客室は暖かみのあるウッド調で、60年代のカルチャーにインスパイアされたインテリアが特徴。エーロ・サーリネンがデザインしたミッドセンチュリーのモダンなノール(Knoll)社製の家具を使用。ホテルのルーフトップにはプールを備える。
レトロ感溢れる小物がディスプレイされる売店やギフトショップなど。ワービーパーカー(Warby Parker)やシャイノラ(Shinola)、ハーマンミラーとファイドンがコラボレーションしたリーディングルーム(A Phaidon + Herman Miller)でゆったりすることもできる。
英国ブランドGOLAとコラボレーションしたスニーカー。Tシャツやキャップなどアパレルも充実。
アーティスト、デイビット・クライン(David Klein)が手がけたアートワーク。
トランスワールド航空のジャック・フライ(Jack Frye)社長のデスクを再現したコーナーも。地球儀やタイプ、葉巻やブランデーなどの小物は、ドラマ「マッドメン」(Mad Men)さながらの世界観。
TWA Hotel at JFK
JFK Airport, Jamaica, NY 11430
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