ニューヨーク州のクオモ知事はCNNで、ヴァージン・アトランティックとデルタ、ブリティッシュ・エアウェイズの各航空会社と、ニューヨークのJFK空港行きの便に関して、全乗客に新型コロナウイルスの検査を実施し、陰性の場合のみ搭乗を許可することで合意したと明らかにした。
クオモ氏は前日の電話会見で、英国で拡大する新型コロナの変異種や、近隣諸国の渡航禁止措置などを例に上げ、春と同じ過ちを繰り返してはならないと主張。州湾岸局には渡航を禁止したり、乗客の健康を監視する権限はないとして、連邦政府への対応を求めていた。
米国立アレルギー感染症研究所所長のファウチ博士は、現時点で英国からの渡航に関して追加の措置を取る必要はないと見解を示している。また保健社会福祉省(HHS)のブレット・ギロイル氏も米ABCの番組で、新型コロナウイルスには、これまでに約4,000の変異が確認されているとして、現時点で米国が警戒する必要はないと主張した。
これに対しクオモ氏は、ファウチ博士には多大な信頼を寄せているとしつつ、「科学者は事実に基づき話をするが、予測はしない。私は春にこれを経験した。彼らは火事だと伝えると、炎があるかを見たいという。私はもし煙を見たら、そこに水を浴びせる」と予防措置の必要性を語った。
さらに「ワクチンが変異種に有効であるか確定していない。問題ないと推定されているが、あくまで仮説に基づくものだ」と述べ、英国のジョンソン首相がこれまでの方針を180度転換し、クリスマスにロックダウンを実施したことや、近隣諸国が入国制限に踏み切ったことを真剣に受け止めていると語った。
クオモ氏は直接航空会社に連絡を取り、現在検査を実施している120カ国にニューヨーク州を加えることができるかを尋ねたところ、Yesの回答を得たと明らかにした。「ニューヨーク州のために検査をするなら、米国のためにも実施するだろう」と語っている。
ニューヨーク州の現在の入院者数は6,331人となっている。20日の新規感染者数は9,007人、検査陽性率は5.75%だった。死者数は109人。
21日より、高齢者施設の入居者やスタッフへのワクチン接種を開始した。