ウクライナ軍は13日、対ロシア戦で初めてイラン製のドローン兵器を破壊したと発表した。
ウクライナ戦略コミュニケーションが、写真とともにテレグラムのチャンネルに投稿した内容によると、破壊したのはハルキウ州クプヤンシク近くで、イランの「Shahed-136長距離カミカゼUAV」だとしている。
ウクライナ国防省もこれをツイッターで共有した。
ジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障担当)は7月にホワイトハウスで行った会見で、イラン政府がロシアに武器搭載可能なものを含む数百機の無人航空機を、迅速に提供する準備を進めている可能性があると発表していた。今回のウクライナ軍の投稿が事実であれば、すでに実戦に使用されていることを示すものとなる。
AP通信によるとイランの「Shahed」には複数のバージョンが存在する。これまでイランが支援するイエメンの反政府勢力によって、サウジアラビアの石油施設の攻撃に使用されたほか、2021年にオマーン沖でタンカー攻撃を受け、2名が死亡した際にも使われたとみられている。
三角翼を持ち、射程距離は2,500キロメートルあると考えられている。2021年の軍事演習の際の映像に登場するが、詳細はほとんど知られていないという。
専門家の間では「徘徊型兵器」と呼ばれ、発射前に目的地がプログラムされている可能性が高く、標的の上空または衝突時に爆発するという。
テレグラムに投稿された翼の一部の画像には、英語表記に直すと「Geran-2」と記されている。WarZoneは、Geranは「ゼラニウム」の略で、ロシアでは砲に花にちなんだ名前をつける伝統があることから、監視や偵察目的ではなく、ウクライナの地上の標的を攻撃するため弾頭を備えた兵器として使用されていることを示すものだとしている。同サイトはまた、ロシアが「Shahed-136」またはその他のドローンのライセンス生産に着手する可能性もあると指摘。イエメンの武装組織フーシ派では、イランの支援を受けて、一定の国内組み立てを数年間続けており、ライセンス生産は、武器取引に関するイランの方法から逸脱するものではないとしている。
これまでロシアの国産ドローンは、主に監視目的で使用されており、徘徊型兵器としての使用例もあるものの、比較的効果の弱いものとみられているという。