米アパレル小売大手のアーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters, Inc)社は、サブスクリプション型の女性衣料レンタルサービスを今夏より開始する。新サービスは、新たに設立した会社「ヌーリー」(Nuuly)の元で展開する。
Nuulyの会員は、月額88ドル(約9,500円)で、アーバン・アウトフィッターズのほか、姉妹ブランドのアンソロポロジー(Anthropologie)やフリーピープル(Free People)を含む約100ブランドの中から、月6着までレンタルすることができる。レンタル対象の中には、ビンテージアイテムも含まれる。
UOの創業者、リチャード・ヘイン(Richard Hayne)最高経営責任者(CEO)の息子、ディビット・ヘイン(David Hayne)氏が、Nuulyの代表取締役を務める。ヘイン氏は、新事業がUOの顧客基盤を損なうことはないと考えている。「顧客は買い物をし続けるだろう。」と服の所有と、レンタルは目的が異なるとビジネスインサイダーに語った。
レンタル後には、商品を買い取ることもできる。ヘイン氏は、購入前に試着するサービスとして利用してほしいと期待を述べた。初年度は5万人の会員を募り、5,000万ドルの売上を目指す。
フォーブスによると、同社が発表した第一四半期の売上は8億6,400万ドル、純利益は3,260万ドルとなり、アナリストの予測を上回った。しかし株価は今年始めから19%低下しており、同誌は、今回の発表は今後の株価を上昇させる取り組みの一環としている。
拡大する衣料レンタル市場
今年始め、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(American Eagle)もレンタルサービス「American Eagle Style Drop」を月額49.95ドルで開始するなど、会員制衣類レンタルサービスは広がる傾向にある。
同サービスの主要プレーヤーである「レント・ザ・ランウェイ」(Rent the Runway)は、今年1億2,500万ドルを資金調達し、時価総額は10億ドルとなった。今年5月、サンフランシスコに最大のフラッグシップ店をオープンした。
Allied Market Researchによると、世界における衣料品のオンラインレンタル事業は、2023年までに18億5,600万ドル(約2,000億円)に達すると予測。北米の消費者を中心にレンタルムーブメントが加速すると予測している。
米国環境保護庁(US Environmental Protection Agency)の調査によると、毎年260億ポンドの衣料品が埋立地に破棄されており、環境汚染が問題となっている。
ビジネスインサイダーは、若者にとってレンタルサービスの活用は、ファストファッションが生み出すゴミ問題に気兼ねすることなく、トレンドを取り入れることができる上で、メリットがあると述べている。