ウクライナ侵攻をめぐり、NATOとロシアの緊張が高まるなか、米陸軍は約80年ぶりに第101空挺師団をヨーロッパに送り、臨戦態勢を整えているという。CBSニュースが伝えた。
派兵規模は約4,700人で、ルーマニア内のウクライナ国境から3マイルの地点で、NATO加盟国に攻撃が加えられた場合に備え、ルーマニア軍と軍事演習を実施している。
演習は、国境の向こう側でウクライナ軍がロシア軍と展開している戦闘を「再現」することを目的としているほか、ロシアとNATO諸国双方に米軍の存在を示す意義があるという。
第2旅団戦闘団の司令官、エドウィン・マサイデス大佐は同局の取材に、ロシア軍を「注意深く観察」して「演習の目的を構築」し、「(戦地)で起きていることを正確に再現する」演習を行っていると説明した。
第101空挺師団は、ノルマンディー上陸作戦に加わったエリート部隊で、「スクリーミング・イーグル」のニックネームで知られる。世界中の戦地に、数時間以内に展開するよう訓練されているという。
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師団副司令官ジョン・ルバス准将は取材に、同師団は「航空攻撃にユニークな能力」を加えることができると説明。「われわれは軽歩兵部隊だが、航空機と航空攻撃に機動性をもたらす」と語った。
司令官らはまた、今晩にも戦闘可能な体制にあるとし、戦争がエスカレートし、NATOに攻撃が及んだ場合、「国境を超えてウクライナに入る完全な準備が整っている」と語った。