米下着ブランドのヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)の親会社Lブランズ(L Brands)は19日、新たな最高経営責任者(CEO)にトリーバーチのジョン・ミハス(John Mehas)社長を任命すると発表した。
ウォールストリートジャーナルは先週、ジャン・シンガー(Jan Singer)最高経営責任者(CEO)の辞任を報じた。シンガー氏は、ナイキで10年以上幹部を務めた後、スパンクス(Spanx)のCEOを経て、2016年にヴィクトリアズ・シークレットのCEOに就任した。同ブランドの業績はここ数年低迷する状態が続いていた。
シンガー氏の辞任が報じらる前、エド・ラゼック(Ed Razek)最高マーケティング責任者は、米VOGUE誌のインタビューでトランスジェンダーのモデルの起用に関する質問を受け、「起用すべきでないと思う。なぜなら、ショーはファンタジーだからだ。」と発言し、多くの非難を浴びた。
来年新たにCEOに就任するジョン・ミハス氏は、2016年にトリーバーチ(Tory Burch)の社長に就任。これまでに、クラブ・モナコ(Club Monaco)最高経営責任者、ギャップ(Gap)、ブルーミンングデールズ(Bloomingdales)などファッション業界での経験が長い。
Lブランズのレスリー・ウェクスナー(Leslie Wexner)会長兼最高経営責任者は、声明で「ヴィクトリアズシークレットランジェリーとPINKの業績向上が最優先課題だ。」と述べ、「マーケティング、ブランドポジショニング、インターネットタレント、不動産ポートフォリオ、原価構成などに新しい展望をもたらしてくれるだろう。」と期待を述べた。
業績悪化が続くヴィクトリアズ・シークレット
19日発表された第3四半期の業績では、既存店の売り上げは2%減少、オンラインを含む全体の売り上げは6%減少した。
同ブランドは、現在米国内に1,200店舗以上を有するが、多くは業績不振にあえぐモール中に店舗が存在する。
CNNによると、昨年水着と衣類の販売を停止したため、既存店の売り上げは8%減少した。
ヴィクトリアズシークレットは、セレブリティのモデルや華やかなファッションショー、プッシュアップブラで顧客を魅了してきたが、近年は、より自分の体型にフィットする商品へのニーズが高まっている。
データに基づき、幅広いサイズのランジェリーを販売するオンライン企業、サードラブ(ThirdLove)や、ライブリー(Lively)、トゥルー&コー(True & Co)や、リアーナがプロデュースする「サヴェージ x フェンティ」(Savage x Fenty)などが台頭している。
ヴィクトリアズシークレットの売り上げが、全体の半分以上を占めるLブランズ全体の業績も低迷しており、9月には傘下の老舗百貨店ヘンリべデル(Henri Bendel)全23店舗の閉鎖を発表している。