今年のNFLの頂上決戦「スーパーボウル」では、勝敗の行方に加えて、カンザスシティ・チーフスのスター選手トラヴィス・ケルシーと交際中の歌手テイラー・スウィフトの動向に注目が集まっている。
来月11日に開催される試合は、2連覇をもくろむチーフスとサンフランシスコ49ersが対決する。
テイラーは昨年9月以降、チーフスの試合を観戦するためにスタジアムに12回足を運び、ケルシーに声援を送っている。その効果は絶大で、Forbesによると、12歳から17歳の女性のチーフスの試合の視聴者数は53%増加した。35歳以上の女性は34%、18歳から24歳の女性も24%上昇している。ケルシーの背番号87のジャージの売上は、400%増えたという。
テイラーは、来月7日より4日間、コンサートツアー「The Eras Tour」の東京公演を行う予定だが、最終日の後、米国にとんぼ返りしてラスベガスで試合を観戦すると見られている。
大スターを巻き込むお祭り騒ぎに注目しているのは、ファンだけではない。
先日、共和党の大統領候補者争いから撤退し、トランプ前大統領の支持に回ったヴィヴェク・ラマスワミ氏は29日、Xのアカウントで「来月のスーパーボウルで勝利するのは誰だろうか。そしてこの秋、人為的かつ文化的に下支えされたカップルから、大統領に関する重大な支持が発表されるのだろうか」と、2人の交際は大統領選に向けて仕組まれたものとの考えを示唆。「乱暴な推理ではあるが、この8カ月どうなるか見てみよう」と陰謀論めいたコメントを投稿した。
この投稿に、あるユーザーは「私も同じ考えだ。テイラーの台頭、この”関係”全体、あるいは今回のスーパーボウルの出来事すべてについて、有機的なものが何一つ感じられない」とコメント。そのほかにも「不正操作だ」「ごもっともな指摘だ」といった声があがった。
一方で、「2019年にチーフスが勝ったときはどうなの?」「私はあなたのことが好きだけど、このコメントはあなたを大統領の座から遠ざけるだけ」といった反論も寄せられている。
2020年はバイデン氏を支持
テイラーは現時点で、2024年大統領選についての支持表明をしていない。
政治的な立場を初めて明確にしたのは2018年の中間選挙で、激戦区のテネシー州で民主党に投票する意向を示した。
この時、共和党の上院候補マーシャ・ブラックバーン氏が掲げる方針は、「私の価値観と一致しない」と不支持を表明。上院は民主党のフィル・ブレデセン氏、下院はジム・クーパー氏に投票すると明らかにした。
2020年の大統領選では、バイデン氏とハリス氏のコンビの支持を表明。副大統領討論会の日に、2人を応援するホームメイド風のクッキーを持つ姿を投稿した。
昨年9月の全国有権者登録日には、2億7,900万人のフォロワーを持つインスタグラムのアカウントで、選挙人登録を呼びかけた。その結果、35,000人の有権者が登録を行ったと伝えられている。