同氏は、時給25ドル(約3,600)円でプロテスターを雇っていた。ホテルのスタッフはPatchに、ワイントラウブ氏らは、路上に停めたキャデラックの中から、ヤジを飛ばすよう指示を出していたと語っている。
プロテスターはホテルの前で「マークにはネズミがいる」「ホロコーストを否定した」「病気を拡散した」「エプスタインを擁護した」などと繰り返し叫んだ。
故ジェフリー・エプスタイン氏は2019年、少女らを性的搾取の目的で人身取引したとして、ニューヨークで起訴されたが、勾留中に自殺をはかり死亡した。Patchによると、エプスタイン氏の悪名高い「黒手帳」には、ザ・マークの連絡先が書かれていたが、それ以上の関係はないという。ホテル側の支配人もエプスタイン氏が、ホテルに宿泊したことはないと明言している。
プロテスターは、ドアマンをハゲ頭とからかったり、「母親は売春婦」と罵るなど、個人攻撃を行った。中には「礼儀正しい」抗議者も混じっていたようで、スタッフに謝罪した人物もいたという。
先月17日には、ラッパーのドレイクがホテルに滞在していたが、建物から出てくる様子を撮影した動画にも、「マークはエプスタインを助けた!」という抗議者の声が入っていた。
セレブの付き人がプロテスターを殴るなどの騒動に発展したほか、ユダヤ系のセレブからホテルにクレームが入ったこともあった。
ホテル側は、警察に通報したものの、抗議者の数が少なすぎるうえ、拡声器などを使用していないといった理由で、対応されなかったという。そのため、警備員を増やし、屋外スペースでの飲食時間を短縮するなどの対処を余儀なくされた。スタッフはPatchに「いままでで最悪の1カ月だった」と騒動を振り返った。
ザ・マークは名誉毀損裁判に加え、ワイントラウブ氏らがホテル前でのデモを禁じるよう裁判所に申し立てを行い、認められている。
ニューヨークタイムズは、両者の争いについて「一風変わった裁判」と伝えた。ワイントラウブ氏は、ホテルに嫌がらせをする理由について、ニューヨークポスト紙の取材に「今はコメントできない」「真実はいずれ明らかになる」と語ったという。