中国のソーシャルメディア大手「ウェイボ」は8日、北京冬季五輪の出場選手への批判が大量に投稿されたことを受け、アカウントの停止や投稿を削除したことを明らかにした。Insiderが報じた。
2,000件以上のアカウントが停止され、少なくとも7万1千件の投稿が削除されたという。
ウェイボは声明で「問題を起こしたり、侮辱的な言葉で選手を攻撃し、誤情報を流布するユーザー」が見られたと説明。防止策として、今後も類似する内容の投稿を監視するとしている。
攻撃対象となった選手は明らかにしていないが、6日と7日に行われたフィギュア団体女子シングル戦後、転倒したジュ・イー(朱易、Zhu Yi)選手(19)が、激しい非難の的になっていた。
中国代表チームは5位に終わったが、イー選手に対して「恥を知れ」「不名誉」など厳しい言葉が投稿されていた。中国語が堪能ではないことを非難する声や、代表選手に選ばれたのは、父親が著名な科学者だからという根拠のない憶測も飛び交った。
サウスチャイナモーニングポストによると、6日の試合後、「ジュイーが転んだ」とハッシュタグがついたコメントは、数時間で2億回以上閲覧されたという。ウェイボはその後、投稿を削除するなどの対策を講じていた。
なお、カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれ育ったイー氏は、2018年に米国籍を放棄し、中国に帰化した。イー氏は、試合後のインタビューで、失敗の理由について「重いプレッシャー」を感じていたと涙ながらに語っている。
政府は監視を強化
中国政府は、SNSのプラットフォームを「浄化するための」対策を講じており、オンライン上の秩序を保つため、プラットフォーム各社に、ユーザーの監視や管理を強化するよう求めているという。Insaiderによると、昨年9月、ウェイボやDouyinなどプラットフォーム14社は、中国のサイバースペース上の「自己規律」を守るための誓約書に署名を求められたという。