トランプ氏 刑事訴追された場合の罪状は?

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現在進行中の議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会による公聴会。関係者から、これまで知られてこなかったトランプ氏の積極的な関与を示す証言が飛び出しており、一部では刑事訴追を免れないといった指摘も上がっている。委員会のリズ・チェイニー副委員長(共和党)は先週水曜日、ロナルド・レーガン大統領財団・研究所で行ったスピーチで、「トランプ氏が事態を把握し関与していたそのやり方は、想像以上に背筋の凍る恐ろしいものだったことが明るみに出た」と主張、トランプ氏と憲法の両方に忠誠を誓うことはできないと話し、共和党議員らに選択を迫った。

委員会が集めた証拠をもとに、司法省に刑事訴追を勧めるか、司法省が起訴に踏み切るのか、今後注目される。仮にトランプ氏が起訴された場合、どんな罪状に問われる可能性があるのか。ロイター通信によると4つの可能性がある。

当局の職務遂行妨害罪 –

トランプ氏には、襲撃当日、議会議事堂で行われていた選挙結果承認手続きで議長をつとめたペンス副大統領に対し、結果を覆せと圧力をかけた疑惑がもたれ、委員会はこの点に注目した。

カリフォルニア州連邦地裁のデヴィッド・カーター判事は、この時のトランプ氏の言動は、当局者の職務の「不当な」妨害行為や、それを試みる行為を禁止する連邦法に触れる可能性が高いと指摘している。

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また、先週の公聴会ではマーク・メドウズ元首席補佐官の側近だったカシディー・ハチンソン氏が、襲撃当日、ワシントンに集まった支持者らが武装していると周囲が警告したにもかかわらずトランプ氏は取り合わなかったと証言。「トランプ氏の声が直に聞こえるくらい近くにいた」といい、トランプ氏が「武器を持っていようとどうでもいい。私を襲いはしない。余計な者は追い払って私の者たちを入れろ。ここから議事堂へ向かえ」などと、承認手続きが滞るのをむしろ歓迎するような発言をしたと述べた。

さらに、トランプ氏は自分も襲撃に加わろうとし、車の中で「私は大統領だ。今すぐ議事堂へ行け」とスタッフに命じ、スタッフが断ると自らハンドルに手を伸ばして強引に方向を変えようとしたとも話した。

米国に対する詐欺共謀罪 –

二人以上で国家に詐欺を実行またははたらこうとした場合、「国家に対する詐欺共謀罪」に問われる。司法省は詐欺について、「政府のあらゆる部門の合法的な機能を損なう、妨害する、または打ち負かすことを目的とした策謀」としている。

委員会は、トランプ氏が州の選挙管理当局や市民、連邦議員らに選挙が盗まれたと信じ込ませようとしたことが、この罪状に当てはまると主張。ただ、トランプ氏側は不正をはたらいた証拠がないと反論している。

公聴会ではリチャード・ドナヒュー元司法副長官代行が、ローゼン元司法長官代行とトランプ氏とのやりとりを証言している。ドナヒュー氏によると、ローゼン氏が選挙に不正があったとは考えていないし結果も変えられないと告げたのに対し、トランプ氏は、私が頼んでいるのはそういうことではない、不正があったと言ってくれれば後は私と共和党議員に任せてもらえばいい、などと切り返していたという。

扇動共謀罪 –

扇動共謀罪は政府を力づくで失墜させることを禁じるもの。検察はこれまでに、議事堂襲撃に加わった極右集団プラウドボーイズやオース・キーパーズのメンバーら10人以上を起訴している。

ミシガン大学の法学教授で元連邦検事、バーバラ・マッケード氏によると、これを適用するには、トランプ氏が誰かと共謀して武力を使ったと立証する必要があり、実際に適用されることはめったにないという。

司法妨害罪 –

ハッチンソン氏の証言の終わりに、チェイニー副委員長は複数の証人が、公聴会で証言するにあたり、トランプ氏の側近から「正しいこと」をしろと脅迫ともとれる言葉をかけられたと報告していることを明らかにした。チェイニー氏はこれを証人買収にあたるとして、委員会が米司法省に訴追を要求する可能性もあると、テレビのインタビューで語っている。

ちなみにトランプ氏はこれまで一貫して、議事堂襲撃に関し法に触れることは何一つしていないと主張している。委員会には訴追権限がなく、最終的には司法省がトランプ氏を訴追するかどうか判断する。

Mashup Reporter 編集部
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