新型コロナウイルスによる死者が70万人を超えたと報じられた1日、トランプ前大統領はヤフーファイナンスのインタビューに応じ、経済からワクチン、大統領選への再出馬の可能性など、幅広いトピックについて話した。
1年ほど前に新型コロナにかかったトランプ氏は、今年1月にメラニア夫人とともにワクチンを接種していたが、これを明かすことなくホワイトハウスを後にした。3月になって側近がメディアに話したことで、明るみに出た。公表を控えたことから、ワクチンに懐疑的な支持者らに接種をアピールする機会を逸したとして、批判を浴びた。
共和党支持者のワクチン接種率は、民主党よりも相対的に低く、8月に実施された調査では、昨年トランプ氏に投票した有権者の約3分の1が、接種しないつもりであることがわかった。
なお8月にトランプ氏がアラバマ州で開いた集会では、接種を勧めるトランプ氏に支持者がブーイングを浴びせるなど、ワクチンへの反発が根深いことを示す場面があった。
トランプ氏がワクチンを接種した事実を信じないとする支持者も多く、YouGovが6月末に行なった調査では、ワクチンを接種する計画がないと答えた成人の46%がトランプ氏の接種を信じない、または定かではないと答えている。
どのワクチンを接種?
インタビュー中、どのメーカーのワクチンを受けたかと聞かれたトランプ氏は「ファイザーだ」と回答。「どの種類だったとしても、喜んで受けた」と加えた。続けて、食品医薬品局が一時的にジョンソン&ジョンソン製ワクチンの使用の停止勧告を出したことに言及。「人々を怖がらせた」「悪い対応だった」などと批判した。
ブースターショットを接種する意向については「必要と感じるなら」と曖昧に答えた。また、感染した上で、ワクチンを接種していることから「私はある意味、ダブルワクチンを受けたようなもの」と話した。
トランプ氏は8月、FOXビジネスのインタビューで、ブースターショットは「ファイザーための金稼ぎの活動にしか聞こえない」と批判。「最初に出てきたときは、一生涯効果があるとされていた。それから1年か2年になった。嫌な予感がする」と、否定的な姿勢を示していた。
なお、バイデン大統領は、大統領就任前の12月と1月に、ファイザーのワクチンを2回接種した。先週にはカメラの前でブースターショットを接種する姿を公開。国民に接種を強く呼びかけた。
疾病対策センター(CDC)の最新の調査によると、ワクチン未接種者が新型コロナで死亡する確率は、接種者に比べて11倍高いことがわかった。また接種者が感染する確率は、未接種者に比べて5分の1程度で、入院する確率は10分の1程度であると判明した。
先月発表されたワクチン接種者間の有効性に関する調査では、モデルナが95%でもっとも高く、ついでファイザー80%、ジョンソン&ジョンソンが60%だった。