出馬表明のバイデン大統領、不気味なイラスト「ダーク・ブランドン」とは?

330

2024年大統領選への再選出馬を表明したバイデン大統領(80)。この日立ち上げたキャンペーンページにある不気味なイラストが話題になっている。

バイデン氏は、キャンペーンビデオの中で「4年前に出馬した時、われわれはアメリカの魂の戦いの最中にあると私は言った。いまだにそうだ。われわれが直面している問題は、この先の数年間、より多くの自由を得るのか、自由が減るのか、より多くの権利か、少ない権利かだ」と主張。動画には、2021年1月6日にトランプ支持者らが議事堂を襲撃する様子や最高裁の妊娠中絶をめぐる判決に抗議する人々の姿がコラージュされている。

笑みを浮かべたバイデン氏の目が赤く光るイラストは、「ダーク・ブランドン」として知られるネットミームの一つで、現在、存在しないページにアクセスした際に表示されるよう設定されている。「Let’s get you back on the rails(レールに戻そう)」はどうやら、バイデン氏のアムトラック好きを反映したメッセージのようだ。

そもそも、バイデン氏がなぜブランドンと呼ばれるのか。

きっかけは、2021年に行われたモータースポーツNASCARのブランドン・ブラウン選手のインタビュー。勝利者インタビューの最中、スタンド席の観客らが「ジョー・バイデン、くたばれ(F― Joe Biden)」と、放送禁止用語を交えて合唱する声が入り込んでしまった。インタビュアーがとっさに「観客の声をお聞きのとおり、”レッツ・ゴー・ブランドン”と言っています」と、苦し紛れのフォローをしたが、これが保守派の間で、バイデン氏を嘲笑する隠語として定着した。

Advertisement

この一方で、バイデン支持者もこの流行を活用。失業率の改善や株価上昇、インフラ投資法案の可決などを受け、#ThankYouBrandon のハッシュタグをつけて政権の取り組みを称賛する動きが広がった。

「ダーク・ブランドン」が使われ始めたのは、昨年の夏頃。トランプ支持者らが、報復を呼びかけるために作成した「ダーク・マガ(DARK MAGA)」のミーム(同じく、トランプ氏の目から光線が出るイラストが多い)のカウンターパート的なものとして、バイデン支持者やホワイトハウスのスタッフらが、大統領の強さを象徴するものとして使用するようになった。

なおバイデン陣営のホームページでは現在、ダーク・ブランドンのTシャツやマグカップも販売している。Tシャツは32ドルで、説明欄には「ほら話を退治する時に着るのがベストだ」と助言が添えられている。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。