「グレート・リプレースメント理論」とは、NYスーパー銃乱射事件との関連は

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ニューヨーク州バッファローにある食料品店で起きた、白人少年による銃乱射事件に関して、「グレート・リプレースメント理論」との関連が指摘されている。

事件では、10人が死亡、3人が負傷した。黒人居住者が大半を占める地域の店が狙われ、犠牲者のうち11人は黒人だった。銃撃したペイトン・ジェンドロン(Payton Gendron)(18)被告は、その場で拘束され、殺人罪および殺人未遂罪で、起訴された。

ジェンドロン被告は、犯行の動機や計画を記したマニフェストをオンラインに投稿していた。その中で、自身を白人至上主義者、反ユダヤ主義者と名乗り、「リサーチ」を通じて、白人の出生率の低下や、「ヨーロッパ人は完全に、人種的かつ文化的に置き換えられる」という危機感を抱いたと説明していた。

グレート・リプレースメントとは

NPRによると、「グレート・リプレースメント」は陰謀論の一種で、政治的アジェンダを達成するため、非白人が、白人の有権者を「置き換える」ために欧米に持ち込まれていると唱えるもの。

全米移民フォーラム(National Immigration Forum)は、同理論はしばしば、反移民団体や白人至上主義者によって喧伝されていると説明している。これらの団体は、移民や非白人が投票することによって、最終的に「白人票がかき消され」、移民(特に有色人種)の流入が、白人の絶滅につながると主張している。

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名誉毀損防止組合(ADL)によると、グレート・リプレースメントのルーツは、1900年初頭に出版されたフランスの国家主義者の書籍にある。最近の使用について、2011年に発売されたフランス人作家、ルノー・カミュ(Renaud Camus)の著書「Le Grand Remplacement」が起因になっていると指摘している。カミュは、移民がフランスを乗っ取る、1973年のジャン・ラスパイユの小説「The Camp of the Saints」(聖人のキャンプ)に影響を受けたとしている。

ADLはまた、白人至上主義者は、非白人の移民の増加をユダヤ人によるものと非難していることから、グレート・リプレースメント理論自体が、反ユダヤ主義と関連付けられていると説明している。

2017年8月、バージニア州のシャーロッツビルで開かれた白人至上主義者の集会では、参加者らが「The Jews will not replace us」(ユダヤ人は私たちを置き換えることはできない)と叫ぶ様子が報じられた。

バッファローの事件を起こしたジェンドロン被告は、犯行に使用した銃に、白のペンキで、黒人を差別するNワードや、白人主義者が使用するスローガンを記していた。スーパーを選んだ理由について、「黒人人口の割合が最も高い」地域であり、自宅近くの店だったためとしている。

銃に書かれたスローガンは、14個のワードで構成され、白人至上主義団体「ジ・オーダー」のメンバー、デイビッド・レーンがつくったもの。南部貧困法律センターによると、「14 Words」(We must secure the existence of our people and a future for White children、白人の子どもたちのために、われわれの存在と未来を確保しなければならない)は、白人至上主義運動のコアとなる信念だと説明している。

白人至上主義者のヘイトクライムに触発

ジェンドロン被告はマニフェストに、2019年3月にニュージーランドのモスクで銃を乱射し、51人を殺害したブレントン・ハリソン・タラント(Brenton Harrison Tarrant)について、「自分を最も過激化させた人物」と呼び、「大抵合意できる」と記すなど、同調を示していた。タラントは、掲示板サイト8chにマニフェストを投稿し、フェイスブックで襲撃の様子をライブ配信していた。

被告は、それらの映像やマニフェストを見たと告白しているほか、2015年にサウスカロライナ州の黒人教会で銃を乱射し、9人を殺害したディラン・ルーフ(Dylann Roof)にも触発を受けたと記している。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。