ホワイトハウスは10日、TikTokインフルエンサーら約30人を招集し、ロシアのウクライナ侵攻の情報に関するオンライン説明会を開いた。
ワシントン・ポスト紙によると、国家安全保障会議の広報特別顧問、マット・ミラー氏と、サキ大統領報道官が説明会の責任者を務め、インフルエンサーらにウクライナ侵攻に関する情報を提供した。ウクライナでの「戦略的目標」を説明し、「ウクライナに対する支援提供、北大西洋条約機構(NATO)との協調、ロシアの核兵器使用に対するアメリカの反応などの質問に回答した」という。
同紙が入手した説明会の映像によると、ホワイトハウスのデジタル戦略官、ロブ・フラハーティー氏が、バイデン政権はインフルエンサーの投稿を「アメリカの一般市民が最新情報を得るための非常に重要な手段」と位置付けていると説明。その上で、誤情報の拡散を防ぎ、インフルエンサーらが「最新の情報を信頼できるソースから入手」していることを明確にしたいと、説明会の目的を述べた。
参加者の特定など、企画に協力したのは非営利組織「Gen Z For Change」で、同団体の幹部、ビクトリア・ハメット氏は、インフルエンサーらにメールで招待状を送り、事前に質問を集めたと明かしている。
参加者には、ウクライナ生まれの米国人実業家、レフ・パルナス氏の息子アーロン・パルナスさん(22)がおり、他のインフルエンサーを驚かしたという。
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レフ・パルナス氏は、ルディー・ジュリアーニ氏に協力して、ウクライナでバイデン親子に不利となる情報の収集を助けるなどしていた。トランプ陣営に行った寄付が選挙資金法に違反したとして起訴され、昨年10月に有罪判決を受けた。
アーロン・パルナスさんのTikTokのフォロワー数は120万人を超える。朝9時から夜10時まで、ウクライナ情勢に関する最新情報や解説を頻繁に投稿している。ウクライナの親戚やウクライナのジャーナリスト、現地のテレビから情報を得ているという。11日のツイッターの投稿で「昨日、ホワイトハウスの説明会に出席して、アメリカやヨーロッパの同盟国によるウクライナ支援に関して正確な情報を提供してもらった。とても光栄で、今も信じられない」とコメントした。
ホワイトハウスがTikTokインフルエンサーと協力するのは初めてではない。昨年には米政権の首席医療顧問、アンソニー・ファウチ氏が若者のワクチン接種率向上のため、TikTokインフルエンサーと複数回にわたって会合を行っている。
一方、ロシアではTikTokインフルエンサーを雇い、ウクライナ侵攻に関してプーチン政権を支持する内容の映像を拡散させているとも報じられている。