キャサリン妃の家族写真をめぐる騒動は、とうとうホワイトハウスにも到達した。
12日、ホワイトハウスで開かれた記者会見で、大統領や副大統領の写真を公開前に「デジタル加工」したことがあるかと尋ねられるたジャン・ピエール報道官は、「デジタル加工ですって」とやや驚いたように聞き返し、「私の知るところではありません。ノーだとお答えしましょう」と否定した。
「なぜ写真をデジタル加工しなくてはらないの?イギリスで起きていることと比較しているのですか?」と述べた後、「アハハハ」と思わず笑い出した。
さらに「君主とわれわれに何の関係があるのですか?ノーです。ここで行っていることではありません」と改めて否定した。
英国の「母の日」にあたる10日、王室が公表したキャサリン妃と3人の子供たちの家族写真が加工されていたことが発覚。大手写真エージェントが、相次いで利用中止を勧告する事態に発展した。
翌日、ウィリアム皇太子夫妻はXの公式アカウントで、写真について「多くのアマチュア写真家と同様に、私も編集を試すことがある」と加工を認め、混乱を生じさせたことを謝罪した。文末には、キャサリン妃のイニシャル「C」の署名が入っていた。
キャサリン妃は1月に腹部の手術を受けたと公表し、療養を理由に公務を控えている。昨年のクリスマス以来公の場に姿を見せていない。
健康な姿が待ち望まれている間に起きた異例の事態は、ネットで「#katespiracy(conspiracy=陰謀論の造語)」のハッシュタグのついた投稿が出回るなど、返って疑念を深める結果を招いた。
写真が公開された経緯を疑問視する声も上がっている。
王室専門家でPRのプロでもあるというデビッド・ジョンソン氏はUS Weeklyの取材に、写真がおかしいと指摘されずに公開されたのは「驚くべきこと」と指摘。「経験のない若手のPR担当が、”おい、何か投稿しなければならないから、これをやろう”と考えてやったようだ」「チームの許可を得ずにキャサリンが自分で投稿するのは考えられない」と述べるなど、周囲が何らかの機能不全に陥っている可能性を示唆した。
さらに、オリジナルの写真が公開されないことを「信じられないほど奇妙だ」とも語った。
王室に対して元の写真を明らかにするべきとの声も多く、テレビ司会のピアース・モルガン氏は11日、Xに「宮殿はキャサリン妃と子供たちの未編集の写真を早急に公開すべきだ」と呼びかけた。「わずかな無害なレタッチが失敗しただけであれば誰も気に留めない」とした上で、公表を拒めば「王室が抹殺したいところの陰謀論を悪化させる」と懸念を示した。