ニューヨークのホイットニー美術館では、米国のコンテンポラリーアートを特集する2年に一度の展覧会『ホイットニービエンナーレ』の一般公開が20日からスタートする。
企画は81回目を迎える。今年は「EVEN BETTER THAN THE REAL THING(本物よりもさらに優れている)」をサブテーマに据え、「今日の問題に取り組む」71人のアーティストをフィーチャー。さまざまなメディアを介した個々のアーティストによる表現が集まり、現実がモザイクのように浮かび上がる内容になっている。期間は3月20日から8月14日まで。
ロサンゼルス生まれのEddie Rodolfo Aparicioによる琥珀から作られた大きな彫刻。カリフォルニアに琥珀を生産する木が植えられ(1950年代~1960年代)、撤去された歴史は、労働力として中央アメリカから多くの移民が連れてこられ、後に強制退去させられた時に重なるのだという。
ジョージア州サバンナ在住のアーティスト、Suzanne Jacksonによる天井から吊るされた絵画作品。キャンバスを使わず、アクリルや堆積物、自然界の物を時間をかけて幾重に重ねて制作するという。
屋外に展示されたブルックリン在住のKiyan Williamsによる「帝国の遺跡II」。傾き沈むホワイトハウスは土が素材に用いられている。
ドイツ生まれシカゴ在住のJulia Phillipsによる作品。見下ろした顔と胸部は授乳の経験、母親と乳児の間の資源の共有を表しているという。
70年代〜80年代にかけて現在のホイットニー美術館のあるチェルシー地区に住んだMavis Pusey(2019年に他界)による作品。生前、建築やニューヨークの刻々と変化する街並みが創作のインスピレーションの源だと語っていたという。