XのアカウントはX社が所有しているから、ユーザーは勝手に売ったり譲ったりしてはいけない。
イーロン・マスク氏のX.Corpは、陰謀論者アレックス・ジョーンズ氏とそのメディアInfowarsのアカウントの売却をめぐって裁判所に異議を申し立てた。
サンディフック小学校銃乱射事件の遺族らが起こした名誉毀損訴訟に敗訴し、約15億ドルの賠償を命じられたジョーンズ氏は、2022年に個人とInforwarsの親会社Free Speech Systemsの破産を申請した。今年6月に再建型から清算型の連邦破産法7条への変更を申し立て、裁判所の承認を受けた。同月、破産管財人は、Infowarsの閉鎖計画を発表。 裁判所は9月、Free Speech Systemsの売却を承認した。今月13日、風刺ニュースサイトのThe OnionがInfowarsの獲得に関わる破産競売に勝利したことが報じられた。
Xは25日に提出した異議申立書で、ジョーンズ氏とFree Speech SystemsがXプラットフォーム上で使用するアカウントの売却または譲渡に反対するとした上で、Xは各ユーザーにアカウントを使用する非独占的ライセンスを付与しているにすぎず、アカウントの所有権は常にX社にあると主張。ただし、投稿したコンテンツの所有権はアカウントホルダーに帰属すると述べた。
さらに、管財人はアカウントではなくライセンスを譲渡するだけだと主張するかもしれないとしつつ、ライセンスは該当ユーザー個人に与えられたものであり、Xの同意を得ない限り譲渡、販売、移転することはできないと述べた。
ジョーンズ氏とInfowarsのアカウントは2018年に永久凍結されたが、新オーナーとなったマスク氏の判断により、2023年10月に復活した。現在のInfowarsのフォロワー数は63.9万、ジョーンズ氏個人のアカウントは340万を数える。
競売に勝ったThe Onionは今年4月、G/O MediaからGlobal Tetrahedronに売却された。同社は、Twilioの元CEOジェフ・ローソン氏、NBCニュースの元記者ベン・コリンズ氏、TikTokの元幹部レイラ・ブリソン氏、Tumblrの元幹部ダニエル・ストル氏といったデジタルメディア業界の投資家らによって創設された。TechCrunchは以前、マスク氏はOnionの買収に関心を持っていたと報じている。