2024年の再出馬の噂が尽きないトランプ前大統領。仮に出馬し本選に進んだ場合、副大統領候補としてともに出馬する、いわゆる“ランニングメイト”の候補として、一期目ながら数々の問題発言で知られる女性議員の名が浮上している。
トランプ氏は未だ次期大統領選への正式な出馬表明をしていないが、これまで幾度となく出馬を匂わせる発言をしており、メディアにはすでに出馬を前提とした論調も少なくない。
そうした中、ニューヨーク・タイムズ・マガジンの寄稿家で、先日著書「Weapons of Mass Delusion: When the Republican Party Lost Its Mind」を発表したロバート・ドレイパー氏は22日、MSNBCのインタビューで、早くもトランプ氏の副大統領候補について言及。共和党で極右とされるマージョリー・テイラー・グリーン米下院議員(ジョージア州・48)が、トランプ氏のランニングメイトとして出馬する可能性について、トランプ氏本人と協議していると語った。
グリーン議員は、新型コロナウイルスワクチンについての誤情報を拡散したとしてツイッターを永久凍結されたほか、Qアノンを支持する言動や扇動的な発言をめぐり、所属していた下院の予算委員会と教育労働委員会から除名されるなどしている。
ドレイパ―氏は、グリーン議員本人から聞いた話として、今年2月からトランプ氏とグリーン議員が出馬に関して話し合いを重ねていると明かした。一方で、トランプ氏は他の共和党の有力議員や政治家にも同様にランニングメイトについて打診している可能性があるとも補足した。ドレイパ―氏は、トランプ政権時代に国連大使を務めたニッキ―・ヘイリー氏や、トランプ氏に近いとされるサウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事の名前を挙げ、「トランプ氏が打診している候補が6人ほどいる可能性が非常に高い」とした。
ヘイリー氏やノーム知事のような経験豊富な政治家と比べ、昨年初当選して政界入りしたグリーン議員は、過激な言動もさることながら明らかに政治的キャリアが浅い。それでもグリーン議員が注目に値する理由として、ドレイパ―氏は、トランプ氏が最も重要視する要素をグリーン氏は持っていると指摘。「グリーン氏が持つ要素でトランプ氏が切望するものは、忠誠心だ。彼女は常にトランプ氏のそばにいる。トランプ氏からも常に支持を受けているし、前回のランニングメイト、マイク・ペンス氏との経験を踏まえると、トランプ氏が何よりも忠誠心を重んじるのは明らかだ。(グリーン議員が選ばれる)可能性を捨てきれないのはそれが理由だ」と語った。
なおトランプ氏は、議事堂襲撃事件のあった2021年1月6日にバイデン大統領の認定を議会で取り仕切ったペンス前副大統領を「政治的自殺行為」と呼ぶなど、次期大統領選ではランニングメイト候補から外す考えを示している。