2016年の米大統領選で民主党候補としてトランプ前大統領と争ったヒラリー・クリントン元国務長官。2024年の大統領選には立候補しないと繰り返し明言してきたが、夫ビル・クリントン元大統領の側近だった人物によると、ヒラリー氏の昨今の言動には、出馬を検討している兆候がみられるという。
ヒラリー再出馬説を示唆したのは、クリントン元大統領の元選挙対策顧問で現在はトランプ氏の顧問を務めるディック・モリス氏。
2日、実業家でラジオ司会者のジョン・キャツィマティディス氏の番組に出演したモリス氏は、ヒラリー氏が最近のインタビューで「誰も国境の開放なんて望んではいない」と発言したことに触れ、かつてビル・クリントンのために自身がデザインしたものと同様の作戦に打って出る可能性があると語った。
”ヒラリーが(大統領選に)出馬する兆候が次々と現れている。ビルは昨日、国民が受け入れることができる人の数(移民)には限りがあると発言した。そしてヒラリーは先週、米国民は国境の開放が良いことだと信じていないと言った。これらはすべて、彼女が大統領選の中道派候補の座を狙っているという印だ。”
出馬のタイミングは選挙後と予想。
”彼女は選挙後に言うつもりだ。『ほらね、左派に寄ると、下院も上院も(多数派の座を)奪われてしまう。2024年に左派の候補を立てては、政権を勝ち取れない。中道を極めて勝利のチャンスをもたらすことができるのは私だけ』と言うだろう。彼女の戦略がわかる。なぜなら私が、1992年にビル・クリントンのためにデザインしたものだからね。彼はこの年指名を勝ち取ったんだ。ヒラリーは私が書いたビルのためのマニュアルを引っ張り出し、今年自分のために使おうとしている。”
ちなみにヒラリー氏自身はあくまで次期大統領選には出馬しないと表明しており、先月にはCBSのニュース番組で出馬について聞かれ、「ないない」と真っ向から否定。そのうえで、「でも民主主義と法規を重んじ、制度を支持する大統領が選ばれるためなら私ができることは何でもする」と、裏方として大統領選に尽力する考えを示した。
バイデン氏は出馬の意向を示しているものの、公式な宣言はしていない。先月放送されたCBS「60ミニッツ」のインタビューでは、現時点での再出馬は単なる意向だとし、決断は「未確定」と答えた。一方、支持率は低調で、先月実施された世論調査では、民主党支持者の過半数(56%)がバイデン氏以外の候補者を望んでいると答えた。