巨額の罰金の支払い期限迫るトランプ氏、自己破産の可能性は?

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ニューヨーク州の裁判所が支払いを命じたトランプ氏の罰金は、25日に支払い期限を迎える。

トランプ氏や一族企業が有利な融資条件を得るために金融機関に資産価値を偽っていた問題で、ニューヨーク郡裁判所のアーサー・エンゴロン判事は3ヶ月間の審理の末、2月16日の判決で、トランプ氏に対して不正に得た利益3億5,480万ドルと不正が行われた日から発生した利息(9%)の支払いを命じた。

判決は2月23日に正式なものとなり、それを受けて上述の合計金額454,156,783ドル(680億円)に年利9%、日割りにして111,984ドル(約1,700万円)が追加されることになった。

トランプ氏は控訴しているが、その間判決の執行を停止するために現金または全額をカバーするボンド(保証)を差し出す必要に迫られている。

今月半ば、トランプ氏の弁護士は裁判所に提出した文書で、仲介会社4社を通じて保証会社約30社にアプローチしたが、応じてもらえず「判決の全額のボンドは事実上不可能」と説明した。

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現在、トランプ氏が期限内に支払えず、ジェームズ司法長官によって資産が差し押さえられるのか、それとも別の一手を用意しているのか、関心が高まっている。

自己破産する可能性は?

Mediaiteによると、金融ジャーナリストのビル・コーハン氏は22日配信のポッドキャスト「The Powers That Be: Daily」で「現時点で破産が唯一の選択肢」と主張した。トランプ氏側は控訴中の支払い額の減額を提案しているが、「控訴裁判所がそのようなことをするとは思えない」とも語った。

コーエン氏は、減額や時間の延長が認められなければ「彼は個人の破産を余儀なくされるだろう。なぜならそうすることで、判決を一時停止することができる。資産の売却を停止し、大きな時間稼ぎができる」と説明。破産裁判所に破産を申し立てることで1年ないしは2年の時間稼ぎになると語った。その場合、州はトランプ氏の企業またはトランプ氏個人の債権者となるとした上で、「どこに落ち着くか、彼らがどれだけ回収できるかは誰にもわからない。おそらくそれが判決の規模を減らす最善の方法だろう」と述べた。

トランプ氏は過去、自身の企業6社を破産させたことがあるとされるが、個人としての破産はない。

この一方、ワシントンポスト紙はトランプ氏に近い複数の関係者の話として、破産は大統領選に悪影響を与える可能性があり、トランプ氏は検討していないと報じている。

同紙によると、ある関係者は、トランプ氏はこれまで成功したビジネスマンとして売り込んでおり、有権者にとってもそれが最大の魅力であると指摘した。また関係者の一人は「破産する代わりに、ジェームズ氏に保安官と一緒に40ウォールストリート(ニューヨーク市内にあるトランプ氏の物件の一つ)まで来させて、それについてわめき散らしたいと考えている」と述べ、「彼は自分にとって政治的に何が上手くいくかを考えている。破産は好ましくないが、彼女に財産を没収させようとする可能性はある」と語った。

トランプ氏はこれまでジェームズ氏や一審を担当したエンゴロン判事に対して「魔女狩り」「選挙妨害」などと繰り返し非難している。

なお差し押さえ対象について、ジェームズ氏は不動産よりも銀行口座から手を付ける可能性が高いという。

元連邦検察官のピーター・カッツ氏はCNNの取材に「銀行が最も簡単だ」と指摘した。差し押さえのプロセスは、司法長官側から依頼を受けたニューヨーク市保安官または連邦保安局が、裁判所命令を持ってトランプ氏の口座のある銀行本店または支店に出向いて、マネージャーにそれを差し出すことになるという。司法長官の元アシスタントのポロック・コーエン氏は「マネージャーは直ちにその金額を支払うことになる。キャッシャーズチェック(銀行が発行する小切手)になるはずだ」と説明している。

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トランプタワー ©MashupReporter

不動産の差し押さえは、より多くの時間を要するという。司法長官はどの不動産を取り上げるかを決定した後、まずは保安官に執行命令を渡すことになるといい、ポロック氏によると、保安官は物件の3箇所に通知を貼り、司法長官は4度広告しなければならない。そうした上で、保安官に執行命令が渡ってから63日以内に公売が実施されることになるという。

期限まで24時間を切ったトランプ氏は、相変わらずSNSで不満をぶちまけている。深夜にTruth Socialのアカウントを更新し、「なぜ不正直で高度に政治的なニューヨークの判事、アーサー・エンゴロンが、さらに腐敗した司法長官であるレティシア”いないいないばあ”ジェームズとホワイトハウスと協力し、非常に成功した不動産と資産を売るのだ」と投稿。「これらの急進左派の狂人と共産主義者が馬鹿げた、かつて聞いたこともない4.5億ドルを超える金額を支払うよう要求している」と述べ、「選挙妨害だ」と大文字で締めくくった。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。