ロシアで逮捕された米女子プロバスケットのブリトニー・グライナー(Brittney Griner)選手の勾留期限が5月まで延長されたという。
グライナー選手は先月、モスクワの空港を訪れた際、大麻から抽出されるハシシオイルの入ったベイプ カートリッジが発見されたとして、ロシア当局によって拘束、麻薬関連の罪で起訴された。最大10年の禁錮刑が言い渡される可能性があると伝えられている。
NBCニュースによると、拘束延長の第一報はロシアのタス通信が伝えたもので、それによると、裁判所が検察による申し立てを認め、5月19日まで延長されることになった。
状況に詳しい人物は同局に、裁判所は捜査が完了するまで勾留期限を延長するだろうと説明。5月までに終わらなければ、再び延長期間が検討されると見通しを示した。
ロシアの公共監視委員会のエカトリーナ・カルギーナ(Ekatrina Kalugina)委員がタス通信に話したところでは、グライナー選手は、同房者2人とともに生活を送っている。同房者らは前科がなく、薬物に関する容疑で拘束された人物だという。グライナー選手が、ドストエフスキーやローリングストーンズのメンバーの伝記本を発注するのを2人が手助けしたという。本人は不満を漏らしていないが、カルギーナ氏は、身長2メートルのグライナー選手にとって、房の標準ベッドは小さすぎると話した。
デイリーメールによると、カルギーナ氏はタス通信に、勾留施設では面会を認めているが、米領事館から申し出がないとも話したという。
一方、現地の米領事館の職員らは、グライナー氏との面会を許可されていないとしており、国務省の報道官はMSNBCの番組で、ロシアがウィーン条約に違反しているとして批判している。
17日、手錠をかけられたグライナー選手が、裁判所とみられる建物内を歩く動画がツイッターに投稿された。
情報筋によると、グライナー選手の弁護団は17日に開かれた審問で、拘束に意義を唱え、自宅軟禁を求めたという。ただし、要求は却下される見通しだという。
米女子プロバスケ(WNBA)の「フェニックス・マーキュリー」に所属するグライナー氏は、リオデジャネイロ五輪と東京五輪で金メダルを獲得した。2014年以降、オフシーズンにロシアのUMMCエカテリンブルクでプレーしている。ロシアでの契約金は1シーズンあたり150万ドル(約1億7000万円)で、フェニックス・マーキュリーの契約金より、6倍近く高いと伝えられている。