アメリカン航空の機内で暴行をはたらいた挙句、緊急脱出用スライドを使って脱出した女に、3年間の保護観察処分が下った。判決までの勾留期間で刑期を終えたとされた。ニューヨーク西部地区連邦検察が発表した。
ニューヨーク在住のシンシア・マクナイト被告(24)は昨年4月、ドアを閉め、離陸の準備に入ったバッファロー・ナイアガラ国際空港発シカゴ・オヘア国際空港行の機内で、前方に進んで一人の乗客と口論し、別の乗客に唾を吐きかけるなどした。
この騒動を受け、飛行機は駐機場に戻ることを余儀なくされたが、マクナイト被告は、機体がその移動中に、ドアを開けて外に出ようとし、止めに入った客室乗務員を押し倒した。さらに非常口を押し開け、自動的に展開された緊急脱出スライドを使って機外に滑り出た。
マイアミ・ヘラルドが裁判資料を元に伝えたところでは、マクナイト被告は、客室乗務員に電話を切るよう注意されたことにイライラしたという。他の乗客と揉めたのは、携帯電話で録画されたことが原因だと供述した。その最中に「トラブルに巻き込まれそうだ」と感じ、機外への脱出をはかった。
スライドを降りたマクナイト被告は逃走を試みたが、駐機場で待ち受けていた空港職員とナイアガラ・フロンティア交通局によって拘束された。逮捕後、アルコールで酔っていたと明かし、「飛行機が遅れたことに腹が立ち、降りたくなった」と供述した。
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2件の暴行罪で起訴され、有罪を認めた。司法取引の一環で42,128ドルの賠償金を払うことに同意したという。
米連邦航空局によると、パンデミック後に急増した「手に負えない乗客」によるトラブルは減少傾向にあり、2021年の報告件数5,973件から昨年は2,455件に低下した。今年はこれまでに708件が報告されている。