飛行中のサウスウエスト航空機の機内で、乗客が非常口を開けようとするなど暴れたことから、同機が緊急着陸する事態となった。
事件があったのは26日午後、テキサス州ヒューストン発オハイオ州コロンバス行きの機内。裁判資料によると、被告の女(34)は最初、後方に向かって歩き、出口を見つめていた。客室乗務員がトイレを使用しない場合は、着席するよう求めたところ、窓から外を見たいなどと話した。乗務員が拒否すると、ドアのハンドルを引き始めたという。
乗客が「誰かがドアを開けようとしている」と警告すると、騒ぎに気がついた乗客の1人が、女を床に押し倒して拘束した。この際、この乗客の太ももに噛みついて抵抗したほか、頭を床に打ちつけながら「イエスからオハイオに飛び、ドアを開けるように言われた」と主張した。
ある搭乗者の母親はFox26の取材に対し、女はゴスペルを歌い、「私には価値がないなどと叫んでいた」と語っている。
飛行機は、アーカンソー州のリトルロックにあるビル・アンド・ヒラリー・クリントン・ナショナル空港に緊急着陸した。噛まれた乗客は、病院で手当を受けた。
女はこの日、家族に知らせずに自宅を出て、飛行機に搭乗していた。荷物なども持っていなかったという。調べに対し、メリーランド州にいる家族に会いに行く予定だったと答えた。女は「長期間飛行機に乗っていなかったため、不安になった。通常はそのような行動はとらない」と主張しているという。
被告の名は、イーロム・アグベグニュー。連邦政府に身柄を拘束された後、海上および管轄権での暴行、職員を妨害した罪で起訴された。
連邦航空局によると11月1日現在、「手に追えない乗客」に関する報告は2,178件寄せられている。
法律の専門家はFox26に、アグベグニュー被告は薬物ではなく、精神衛生上の問題を抱えていると指摘。米国では、それらの問題があったとしても、自由に旅行をすることができ、誰かに通知する必要もないと説明した。乗客を飛行機から下ろす権利は、機長のみが有し、航空警察官には与えられていないと語った。