「黒人少年が携帯盗んだ」と誤って非難の女性が弁明

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ニューヨーク市内のホテルで、黒人の少年が携帯を盗んだと誤って非難した女性(22)が30日、CNNのインタビューに答えた。

騒動があったのは26日。ソーホーのブティックホテルのロビーで、女性が携帯電話を盗まれたと騒ぎ、その場に居合わせた14歳の少年を非難。ポケットを探ろうと少年に向かって突進した。後に、携帯はウーバーに忘れていたことが判明。女性はホテルで電話を受け取った。

少年の父親で、著名なジャズトランペッターのキーヨン・ハロルド(Keyon Harrold)氏は女性とのやり取りを撮影した動画をSNSに投稿し、大きな話題となった。
ハロルド氏は、グラミー賞受賞歴を持ち、ジェイ・Zやビヨンセ、リアーナなどと共演したこともある。この日は、創作活動のために息子とホテルに滞在していた。

女性はCNNに対し、最初に携帯を盗んだ人物を特定するため、ホテル側にロビーの監視カメラを確認したいと伝えたという。そして、ロビーにいた人々に、ポケットを空にするよう求めたと経緯を語った。この時、ブランチに出かけようとしていたハロルド親子に遭遇。女性は「そこで事態が大きくなった」と語った。

女性はハロルド親子と口論の際、暴行を受けたと説明。しかしCNNによると、女性は証拠を示しておらず、警察の捜査やホテルから暴行の事実は確認できていないとしている。
一方、ハロルドさんはニューヨークタイムズのインタビューで、突進した際に女性から引っ掻かれ、負傷したと語っている。

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インタビュー中、女性は警察に協力する姿勢を示し、ビデオが大きな話題になっていることや、逮捕について「心配している。私はそのような人間ではない。私はいつも正しいことをしようと努力している」と語った。警察に名乗り出ておらず、警察からも連絡はないと明かしている。また、ハロルドさんと話をしたいと語った。

ニューヨーク市警察(NYPD)は、この件について現在捜査中だとしている。女性の身元は既に特定しており、暴行や窃盗、強盗未遂などの容疑で逮捕を検討していると発表している。

NY市長、人種差別と非難

デブラシオ市長は28日のツイートで、この出来事を「人種差別だ。単純、明快だ」と断言。「彼女の振る舞いは市の価値観を侮辱するものだ」と非難した
一方でNYPDのロドニー・ハリソン巡査長は、偏見に基づく犯罪として起訴する計画はないと語っている。

マンハッタン区のサイラス・バンス・ジュニア検事長は、事件を「全面的に捜査している」と発表した。

ソーホーのホテル「アーロ」(Arlo)は声明で「無実の宿泊客への暴行や偏見、根拠のない通報に対して、非常に残念に思っている」と発表。今回の出来事は「許されない」と、ハロルド氏と息子に謝罪した。

ハロルド氏、抗議集会を開催

ハロルド氏は30日、市庁舎の前で会見を開き、女性の行為は人種差別に基づくものだとして抗議集会を行った。黒人の人権活動家ベン・クランプ氏とアル・シャープトン氏も参加した。

ハロルド氏は、自分があの場にいなかったら、息子は濡れ衣を着せられたままだった可能性があると語った。さらにミズーリ州ファーガソン出身の同氏は、人生を通じて、人種差別を受けてきたとした上で、「息子には無傷なまま育って欲しい。それだけを願っている」と語った。

母親のカッツ・ロドリゲス(Kat Rodriguez)さんは、「これは、われわれの息子のためだけの戦いではない。全ての息子、娘のためだ」と述べ、女性は暴行罪で起訴されるべきだと主張。音楽家で教師のロドリゲスさんは「もし自分がメイドで、コネのない家族だったら、この話は話題にならなかった」と述べ、「人種的不公平により、息子を失った母と親に祈りを捧げる」と語った。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。