今年で第3回目を迎えるウィメンズ・マーチ(Women’s March)が、明日19日に全米で開催される。
ウィメンズ・マーチは、女性たちの団結の象徴として、2年前の大統領就任式直後に初めて開催された。初回は全米600都市で開催され、1日間のデモ活動としては、史上最大規模を記録した。
昨年は、国内外の250都市で開催され、ニューヨークでは、人種差別や、移民問題、環境、ヘルスケア、セクハラ、男女平等賃金、銃規制、LGBTQ、ロシア疑惑など様々な問題に抗議活動が行われた。
団結を目的としたマーチだが、ワシントンD.C.の主催団体「Women’s March 」の幹部の一部が、反ユダヤ主義であるとの疑いが浮上。また、同団体が「Women’s March」の商標登録を申請したことに対し、地元の主催団体が反発するなど、各地で分裂が生じている。
マーチの主催団体が分裂し、ニューヨーク市やフィラデルフィアでは、2つの団体が別の場所でマーチ開催することとなった。なお、カリフォルニア州では少なくとも一つの団体のマーチが中止となっている。
主催団体に人種差別の疑惑
ニューヨークタイムズによると、ウィメンズ・マーチの初期の創設者の1人、バネッサ・ヴルーベル(Vanessa Wruble)氏は、ユダヤ教徒を理由に同団体を追い出されたと告白した。この主張については、創設者のタミカ・マロリー(Tamika Mallory)氏とボブ・ブランド(Bob Bland)氏は強く否定している。
昨年2月には、マロリー氏が、反ユダヤ主義的な発言を繰り返すことで知られるネーション・オブ・イスラム(Nation of Islam)の主導者ルイス・ファラカン(Louis Farrakhan)氏の集会に参加。支持を表明したことで、多くの非難が寄せられていた。
さらに、もう1人の共同創設者リンダ・サーソア(Linda Sarsour)氏は、イスラエルのパレスチナ占領に対して、パレスチナ人への連帯を表明した。
ユダヤ教団体とテレサ・シュック(Teresa Shook)氏は、創設者のマロリー氏とブランド氏、サーソア氏、カルメン・ペレス(Carmen Perez)氏への抗議を行っている。
ニューヨークでのウィメンズマーチ
ニューヨークでは、ウィメンズ・マーチ・アライアンス(Women’s March Alliance)が主催する「ウィメンズマーチNYC」と、Women’s March Incが主催する「ウィメンズ・ユニティ・ラリー」の2つのマーチが開催される。
ニューヨークで過去2回ウィメンズ・マーチを主催したのは、元ゴールドマン・サックスのキャサリン・シエミオンコ(Katherine Siemionko)氏。
昨年、Women’s March Incが主導権を握ろうとして、両者に対立が生じたためシエミオンコ氏は、今年新たなNPO「ウィメンズ・マーチ・アライアンス」を発足させた。両団体は直前まで合同開催の話し合いを行ったが、両者の溝は埋まらず、Women’s March Incは独自でラリーを開催することとなった。
「ウィメンズマーチNYC」(Women’s March on NYC)
主催団体:Women’s March Alliance
時間:午前11時15分から
場所:アッパーイーストサイド(セントラルパーク西72丁目からコロンバスサークルを経て、44丁目まで)
少なくとも8万5,000人が参加予定。
「ウィメンズ・ユニティ・ラリー」(The Women’s Unity Rally)
主催団体:Women’s March NYC & New York Immigration Coalition
時間:午前10時から午後2時
場所:フォーリー・スクエア(Foley Square)
Women’s March Incが今年掲げる議題は、女性の移民、障害者、LGBTQコミュニティ、賃金平等の権利を、州や連邦レベルでの政策へと転換することを目的とする。同団体の元、今年は100のマーチが国内外で開催される予定。
「障害者の女性のためのノン・マーチ」(Non-March for Disabled Women)
時間:午後2時から午後4時
場所:グランドセントラルステーション
2018年のウィメンズ・マーチの様子(写真&動画)