政治評論家スコット・ジェニングス氏はCNNの番組で、今回の大統領選の結果について「ふつうの昔ながらの労働者階級のアメリカ人のリベンジ」と見解を語った。
トランプ氏は現時点で、5つの激戦州(ペンシルベニア、ジョージア、ノースカロライナ、ミシガン、ウィスコンシン)で勝利が確定し、一般投票でも民主党を上回る見込みがある。連邦議会に関しては、上院は4年ぶりに多数派を奪還。下院でも議席数を伸ばしており、過半数を維持する可能性が報じられている。
ジョージ・W・ブッシュ元大統領の特別補佐官を務めたジェニングス氏は、トランプ氏の勝利は「労働者階級のアメリカ人に経済を再び活性化させ、移民問題を修正し、犯罪を抑制し、世界の混乱をおさめるという国民からの委任」と評した。
トランプ支持者について「打ちひしがれ、虐げられ、見下されてきた無名のアメリカ人だ。彼らは”ガラクタ”でも、”ナチス”でもない。毎日起きて仕事に出かけ、子供たちのためにより良い生活を送ろうとしている普通の人々だ。自分たちの生活が傷つけられていることに不満を表すと、ただ黙ってろと言われているように感じている」と彼らの立場を擁護した。
またメディアを「政治的情報複合体」述べ、選挙結果はそれに対する「告発」とも主張した。
「私たちはここ数週間、選挙についてあれこれ伝えてきたが、表現してきたストーリーは真実ではなかった」と説明。コメディアンによるプエルトリコに対する発言や、リズ・チェイニー票、ニッキー・ヘイリー票、女性は夫に嘘をつく、ティム・ウォルズの迷彩柄の帽子などの例を挙げ、「これらの戦略はハリス氏を勝利に導くと言われてきたが、我々は根本を無視していた。人々がなんとか持ちこたえてきたインフレだ。これが選挙のファンダメンタルズだった。今回立ち上がって”もう十分だ”と言った国民の半数について理解を示し、彼らの会話に耳を傾ける方法を考えるべきだ」と内省を促した。
左派からも厳しい声
進歩派のバーニー・サンダース上院議員(無所属・バーモント州)は声明で、労働者階級が民主党を見限った結果だと主張した。
「労働者階級を見捨てた民主党が、労働者階級から見捨てられたと分かったのは、大きな驚きではない」と結果を振り返った。「最初は白人労働者階級だった。今ではラテン系や黒人労働者も同様だ。民主党指導部が体制を擁護する一方で、アメリカ国民は怒り、変化を求めている。彼らは正しい」と民主党執行部を非難した。
エジソン・リサーチの出口調査では、ヒスパニック系有権者の約46%がトランプ氏に票を投じ、前回の選挙から14ポイント上昇した。アメリカン・エンタープライズ研究所によると、2004年大統領選でジョージ・W・ブッシュ氏が獲得した44%をわずかに上回ったという。
ヒスパニック系有権者の擁護団体UnidosUS Latino Vote Initiativeの副会長はロイターの取材に「経済問題における有権者との関係で、共和党は民主党を常に上回ってきた」と指摘。「今回は経済に関する国民投票だった。ヒスパニック系にとって経済は常にナンバー1、2、3の課題だった」と語っている。