架空の映画取引を行い「ポンジ・スキーム」の手口で詐欺をはたらいた米俳優ザカリー・ホーウィッツ(Zachary Horwitz)被告(34)が、ロサンゼルス郡地検との司法取引に応じ、1件の証券詐欺罪に関して有罪を認めた。
ホーウィッツ被告は、ザック・エイヴァリー(Zach Avery)の名で知られ、『ホワイト・クロウ』や『シークレット・ランナー』などの映画に出演している。
LAタイムズなどによると、ホーウィッツ被告は2014年より、自身の会社「1inMM Capital, LLC」を通じ、250人以上の投資家から6億5000万ドル(約710億円)を集めていた。
映画の海外配給権を獲得し、ライセンスをNetflixやHBOなどに供与しているとウソをつき、25%から40%のリターンを保証すると説明。投資家は、1作品あたり3万5000ドル(約380万円)から150万ドル(1.65億円)を「貸して」いたという。被害者の中には、大学時代の友人や親類なども含まれる。
集めた金は既存投資家にリターンする一方で、プールやジム、試写室がついた6億円近い豪邸の購入費に充てるなどしていた。また高級腕時計やレイカーズのコートサイド席のチケットを購入したり、チャーター便で旅行したりするなど贅沢三昧の暮らしを送っていたという。
契約書や文書は全て偽造されたものだった。2019年初めに投資家への返済が滞り、詐欺が発覚。2億3100万ドル(約250億円)が返済されなかった。
今年4月に逮捕された後、複数の証券詐欺の罪や有線通信不正行為の罪、個人情報窃盗罪などで大陪審によって起訴された。
今回の司法取引の一環で、1件の証券詐欺以外の罪が取り下げられる。公判は10月に予定されている。有罪となった場合、20年間の禁錮刑が言い渡される可能性があるという。
まるで映画のような詐欺話。来年には、Netflixで配信されているかも。
▼ホーウィッツ被告のインタビュー映像